FreeBSD-CURRENT を導入してみた (1) 配布物入手して仮想マシン作成してみた
VirtualBox4.2.xa 上にFreeBSD-10-CURRENT を導入し、最低限の環境設定を行うまでの手順をまとめてみます。 本稿ではインストールメディアの入手から、VirtualBox 上での仮想マシン作成までを扱います。
- (1) 配布物入手して仮想マシン作成してみた
- (2) インストーラを実行してみた
- (3) 最新状態に更新してみた
- (4) portsを使う環境整備したった
- (5) sshログイン環境を整備してみた
- (6) xorgを導入してみた
- (7) Guest Additionを導入してみた
- (1) 必要な資材を集めてみた
- ...
はじめに
FreeBSD-CURRENT は、様々な新機能の開発が行われる最前線です。 一般のリリース版にはまだ搭載されていない新機能の利用が可能なだけではなく、 Pandaboard や Beaglebone の様な ARM ベースのワンボードコンピュータでの動作も可能となります。
しかしながら、 CURRENT 版は一般ユーザ向けの版ではありません。 完全に開発者向けの版です。 このあたりの事情は、 FreeBSD ハンドブック に詳しいです。
本章ではこの CURRENT をVirtualBox4.2.x 上に導入する手順を紹介してみます。
インストールメディアを入手する
まずインストール用のISO イメージファイルを入手します。 配布のURL は以下のとおりです。
ftp://ftp.freebsd.org/pub/FreeBSD/snapshots/amd64/amd64/ISO-IMAGES/10.0/
ここで配布されているイメージファイルのファイル名の形式は、 以下のようになっています。
FreeBSD-10.0-CURRENT-アーキテクチャ- 年月日-リビジョン番号-用途
アーキテクチャは、amd64(64bit)かi386(32bit)かです。 互換性機能を無効化しないかぎり、amd64版はi386版のバイナリを実行できます。 また、4GB以上のメモリを扱えます。 しかしながら、64bit版環境用のライブラリと32bit版環境用のライブラリを持つため 配布サイズが大きくなり、OS自体のリコンパイルにも時間がかかります。 本稿ではamd64版を使用します。
年月日は、どの時点のソースから生成された配布物であるかを示しています。 特に事情がない場合は、最新の日付のものを選びます。
リビジョン番号は、 OSソースコードのバージョンを一意に特定する番号です。 後述するバージョン管理システムsubversionで指定することで、 任意のリビジョンの OSを使用することができます。 リビジョン番号が異なれば機能や振る舞いが異なります。
用途は、そのISOファイルがどのように使えるか、を示しています。
ファイル名 | 用途 |
---|---|
~-bootonly.iso | boot機能のみ可能なイメージ。配布物が入っていないためネットワークインストールしか行えない。 |
~-memstick.img | USBメモリに書き込んで使用するイメージ。 |
~-release.iso | 通常のインストール CD作成用イメージ。 |
最後の~-release.isoというファイルをダウンロードします。
VirtualBoxで仮想マシンを作成する
VirtualBoxの「新規マシンの作成」ウィザードで新規に仮想マシンを作成します。
以下、設定パラメータ例です。 なお、ここで □ レ は選択項目の有効を、 □ は無効を表します。
カテゴリ | タブ | 項目 | 設定値例 | 備考 |
---|---|---|---|---|
一般 | 基本 | 名称 | FreeBSD-10-CURRENT-amd64 | 名称は適宜入力。OS種別、バージョン、 アーキテクチャなどの識別情報を判別しやすいように |
タイプ | BSD | もちろん! | ||
バージョン | FreeBSD (64bit) | 32bitでも可 | ||
高度 | スナップショットの保存先 | デフォルトのまま | ||
クリップボードの共有 | 双方向 | guest-additionの導入で使用可能になります | ||
ドラッグ&ドロップ | 無効 | 未対応なので設定しません | ||
リムーバブルメディア | □ レ実行時に変更したメディアを記録 | |||
ミニツールバー | □ レフルスクリーン/シームレスもード時に表示 | |||
□画面の上部に表示 | ||||
説明 | ※適宜入力 | システム | マザーボード | メインメモリ | 2048MB | コンパイル作業を多く行うため、この程度は確保したい所です。これ以上あってももちろんOK |
起動順序 | フロッピー→CD/DVD-ROM→ハードディスク | ハードディスクの前に光学ドライブが来ればOK | ||
チップセット | PIIX3 | デフォルト設定。これが一番安定している気がします | ||
拡張機能 | □ レI/O APICを有効化 | 割り込みをCPUに伝える機能です。デフォルト有効です。 | ||
□EFIを有効化 | 2TB以上の仮想ドライブを装備しない限り有効化は無用 | |||
□ハードウェアクロックをUTCにする | FreeBSDはデフォルトでクロックはローカル時間 | |||
□絶対座標指定のデバイスを有効化 | ||||
プロセッサー | プロセッサー数 | 2 | これ以上あってもOK。コンパイル速度は実CPUコア数の範囲でCPU数が多くなればなるほど短縮されます。むろん1でも動きますが、コンパイル速度は低下します | |
使用率制限 | 100 | |||
拡張機能 | □PAE/NXを有効化 | |||
アクセラレーション | 仮想化支援機構 | □ レVT-x/AMD-Vを有効化 | 実CPUにCore-iシリーズなど対応したものを使用している場合 | |
□ レネステッドページングを有効化 | 同上 | |||
ディスプレイ | ビデオ | ビデオメモリー | 64MB | とりあえずこれくらい |
ディスプレイ数 | 1 | |||
拡張機能 | □ レ3Dアクセラレーションを有効 | OpenGLはサポートされるので有効化 | ||
□2Dビデオアクセラレーションを有効 | サポートされないので無効化 | |||
リモートディスプレイ | □サーバを有効化 | リモートディスプレイは使用しません | ||
ストレージ | IDEコントローラ | 名前 | IDEコントローラ | |
タイプ | PIIX4 | デフォルト設定 | ||
□ レホストのI/Oキャッシュを使う | ディスクアクセス高速化のため | ハードディスク | IDEプライマリーマスター | |
□SSD | ||||
形式:VDI形式 | 可変長でディスクサイズ削減 | |||
仮想的なサイズ:40GB | make worldを掛けるにはこれくらいほしい | |||
オーディオ | □ レオーディオを有効化 | |||
ホストオーディオドライバ | Windows Directsound | |||
オーディオコントローラ | ICH AC97 | デフォルトはこれ | ||
ネットワーク | アダプター1 | □ レネットワークアダプターを有効化 | ||
割り当て | NAT | IPv6を使用したいならブリッジアダプタで | ||
シリアルポート | □シリアルポートを有効化 | シリアルポートは使用しない | ||
USB | □ レUSBコントローラを有効化 | 特にSDカードをUSBアダプタ経由で読み書きするので必須 | ||
□ レ(EHCI)コントローラを有効化 | 高速書き込みに必須 | |||
共有フォルダ | 設定せず |
ここまでのまとめ
FreeBSD-CURREBRのインストールファイルを入手し、それを インストールするための仮想マシンをVirtualBox上に作成しました。 仮想マシンを作成しただけですので、まだ何も動きません。
以下、『インストーラを実行してみた』編では作成した仮想マシンに FreeBSD-CURRENTを導入します。 これを行えば、起動しログインできるようになります。