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FreeBSD-CURRENT を導入してみた (1) 配布物入手して仮想マシン作成してみた

VirtualBox4.2.xa 上にFreeBSD-10-CURRENT を導入し、最低限の環境設定を行うまでの手順をまとめてみます。 本稿ではインストールメディアの入手から、VirtualBox 上での仮想マシン作成までを扱います。




はじめに

FreeBSD-CURRENT は、様々な新機能の開発が行われる最前線です。 一般のリリース版にはまだ搭載されていない新機能の利用が可能なだけではなく、 Pandaboard や Beaglebone の様な ARM ベースのワンボードコンピュータでの動作も可能となります。

しかしながら、 CURRENT 版は一般ユーザ向けの版ではありません。 完全に開発者向けの版です。 このあたりの事情は、 FreeBSD ハンドブック に詳しいです。

本章ではこの CURRENT をVirtualBox4.2.x 上に導入する手順を紹介してみます。

インストールメディアを入手する

まずインストール用のISO イメージファイルを入手します。 配布のURL は以下のとおりです。

ftp://ftp.freebsd.org/pub/FreeBSD/snapshots/amd64/amd64/ISO-IMAGES/10.0/

ここで配布されているイメージファイルのファイル名の形式は、 以下のようになっています。

FreeBSD-10.0-CURRENT-アーキテクチャ- 年月日-リビジョン番号-用途

アーキテクチャは、amd64(64bit)かi386(32bit)かです。 互換性機能を無効化しないかぎり、amd64版はi386版のバイナリを実行できます。 また、4GB以上のメモリを扱えます。 しかしながら、64bit版環境用のライブラリと32bit版環境用のライブラリを持つため 配布サイズが大きくなり、OS自体のリコンパイルにも時間がかかります。 本稿ではamd64版を使用します。

年月日は、どの時点のソースから生成された配布物であるかを示しています。 特に事情がない場合は、最新の日付のものを選びます。

リビジョン番号は、 OSソースコードのバージョンを一意に特定する番号です。 後述するバージョン管理システムsubversionで指定することで、 任意のリビジョンの OSを使用することができます。 リビジョン番号が異なれば機能や振る舞いが異なります。

用途は、そのISOファイルがどのように使えるか、を示しています。

ファイル名 用途
~-bootonly.iso boot機能のみ可能なイメージ。配布物が入っていないためネットワークインストールしか行えない。
~-memstick.img USBメモリに書き込んで使用するイメージ。
~-release.iso 通常のインストール CD作成用イメージ。

最後の~-release.isoというファイルをダウンロードします。

VirtualBoxで仮想マシンを作成する

VirtualBoxの「新規マシンの作成」ウィザードで新規に仮想マシンを作成します。

以下、設定パラメータ例です。 なお、ここで は選択項目の有効を、 は無効を表します。

カテゴリ タブ 項目 設定値例 備考
一般 基本 名称 FreeBSD-10-CURRENT-amd64 名称は適宜入力。OS種別、バージョン、 アーキテクチャなどの識別情報を判別しやすいように
タイプ BSD もちろん!
バージョン FreeBSD (64bit) 32bitでも可
高度 スナップショットの保存先 デフォルトのまま
クリップボードの共有 双方向 guest-additionの導入で使用可能になります
ドラッグ&ドロップ 無効 未対応なので設定しません
リムーバブルメディア 実行時に変更したメディアを記録
ミニツールバー フルスクリーン/シームレスもード時に表示
画面の上部に表示
説明 ※適宜入力
システム マザーボード インメモリ 2048MB コンパイル作業を多く行うため、この程度は確保したい所です。これ以上あってももちろんOK
起動順序 フロッピー→CD/DVD-ROM→ハードディスク ハードディスクの前に光学ドライブが来ればOK
チップセット PIIX3 デフォルト設定。これが一番安定している気がします
拡張機能 I/O APICを有効化 割り込みをCPUに伝える機能です。デフォルト有効です。
EFIを有効化 2TB以上の仮想ドライブを装備しない限り有効化は無用
ハードウェアクロックをUTCにする FreeBSDはデフォルトでクロックはローカル時間
絶対座標指定のデバイスを有効化
プロセッサー プロセッサー数 2 これ以上あってもOK。コンパイル速度は実CPUコア数の範囲でCPU数が多くなればなるほど短縮されます。むろん1でも動きますが、コンパイル速度は低下します
使用率制限 100
拡張機能 PAE/NXを有効化
アクセラレーション 仮想化支援機構 VT-x/AMD-Vを有効化 実CPUにCore-iシリーズなど対応したものを使用している場合
ネステッドページングを有効化 同上
ディスプレイ ビデオ ビデオメモリー 64MB とりあえずこれくらい
ディスプレイ数 1
拡張機能 3Dアクセラレーションを有効 OpenGLはサポートされるので有効化
2Dビデオアクセラレーションを有効 サポートされないので無効化
リモートディスプレイ サーバを有効化 リモートディスプレイは使用しません
ストレージ IDEコントローラ 名前 IDEコントローラ
タイプ PIIX4 デフォルト設定
ホストのI/Oキャッシュを使う ディスクアクセス高速化のため
ハードディスク IDEプライマリーマスター
SSD
形式:VDI形式 可変長でディスクサイズ削減
仮想的なサイズ:40GB make worldを掛けるにはこれくらいほしい
オーディオ オーディオを有効化
ホストオーディオドライバ Windows Directsound
オーディオコントローラ ICH AC97 デフォルトはこれ
ネットワーク アダプター1 ネットワークアダプターを有効化
割り当て NAT IPv6を使用したいならブリッジアダプタで
シリアルポート シリアルポートを有効化 シリアルポートは使用しない
USB USBコントローラを有効化 特にSDカードをUSBアダプタ経由で読み書きするので必須
(EHCI)コントローラを有効化 高速書き込みに必須
共有フォルダ 設定せず

ここまでのまとめ

FreeBSD-CURREBRのインストールファイルを入手し、それを インストールするための仮想マシンVirtualBox上に作成しました。 仮想マシンを作成しただけですので、まだ何も動きません。

以下、『インストーラを実行してみた』編では作成した仮想マシンFreeBSD-CURRENTを導入します。 これを行えば、起動しログインできるようになります。